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仲谷塾長のエッセイ・論文集 特別版@-2

●GMインタビュー

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"脱日本型ホテル"運営で新境地をひらく
 ホテル阪神 総支配人 仲谷秀一氏
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週刊HOTERES 1999年6月18日号

ディレクター制を採用  

――総支配人の目が届くホテルの限界は300室規模といわれますが、視点を変えれば  総支配人の意向が反映する規模ですね。仲谷総支配人の意向が反映する規模ですね。仲谷総支配人はどのような新ホテル像を目指していますか。

 ホテルは、とりわけ日本ではファッション産業に似ていて、生活の付加価値的な意味合いが大きい。 ファッションは身につけて満足感を増幅する"おしゃれ"ですね。 ホテルも単に目的がある宿泊利用だけでなく、個人的生活の中にブライダル、レストランなど生活行動をおしゃれに楽しむ場となっています。 そうしたニーズを満足させることができるホテルでありたい。


――新ホテルは「"シティコンフォート&ビジネスフレンドリー"〜都市で働き暮らす
人々の心と体にやさしいホテル〜」をコンセプトにし、最近では珍しいフルラインの総合型ホテルですね。 しかし、業界ではこれから市場は宴会、ブライダルの危うさが言われ、業態的には「特化すべき」と言う発想が一般的ですが。

 まだまだビジネスチャンスがあるという認識で、あえてチャレンジしています。 確かに以前の百貨店のように"何でもあり"では駄目ですが、私どもでは、ブライダル事業、宿泊事業、一般宴会事業、外食的なレストラン事業、そして附帯的なスパ・サウナ事業と、一つ一つの部門が独立した5事業として認識し、専門化していく。 それを「ミッドスケールマーケットに対応するホテル」という思想と、「テイストを高くもとう」というブランドイメージで統一し、相乗効果まで高めることができればと思うのです。 ですから各部門は独立した戦略を持って展開します。


 ――5部門の責任者と名つけていますが、そうした意味があったのですね。

 運営面でいえば根幹はレベニューマネジメントを追求することです。しかし経営と運営が分離されていなかったり、「いいサービスといい料理を出していれば、お客さんがついてくる」といったマーケティング無視の従来の日本的運営システムでは駄目だと思うのです。この点は多くのホテルマンが感じているでしょう。ただ、経営と運営がすみわけできていない現状で、どう変革したらいいかがわからない。また、それができる支配人など人材を育てていません。そうした背景を踏まえ、今回のホテルは、ハード、ソフト両面を含んで進化するホテルとみており、ディレクター制をとった。ディレクターの概念は資格制度でいえば営業5部門の長ですが、課長クラスや役員クラスもおり権限は一緒です。


 ――それは面白いですね。

 ですからユニフォームシステムを採用しています。現場レベルでマネジメントコントロールが可能な、経費だけで収益性をみていく。その裏には、コストを切り詰めたりできる権限が必要なのです。そのためには組織を変えないと生きてこないのですよ。


 ――ディレクター制の特色は。

営業データは、何のために使うか、その思想がしっかりしていかないと生きない。ただ現況を把握するだけでなく、数ヶ月先の予測をできるようにしました。 その上で各部門の営業データをランでつなぎ、全役員とディレクターがリアルタイムにみられるようにしました。