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仲谷塾長のエッセイ・論文集G


2001年5月

「地域と共生する都市ホテル」

情報誌「芦屋倶楽部」2001年6月20日号掲載

 

 5月初旬の土曜日、学会出張でひさしぶりに東京で宿泊した。
 宿に決めたのは、日本橋のロイヤルパークホテル、外資系ホテルの運営システムを取り入れた、新しい経営手法で最近、話題のホテルだ。翌日は日曜日、朝食後東京の下町情緒を満喫しようと散歩にでかけようとしたところ、ホテル正面玄関に人だかり、いなせな若い衆にかつがれた御みこしが次ぎからつぎへとやってくるではないか、人形長、蛎東町・・・・、当日は神田明神のご祭礼であった。お神輿の世話役さんの音頭で、「ロイヤルパークホテルさんのが繁盛を願って」一本締めがピッシリきまる。

その後、副総支配人とおぼしきホテル幹部が、町衆に担ぎ上げられるように、お神輿にのぼり、再度一本締め、外人宿泊客も大喜び。地域と共生するシティホテルの姿を見ることができた。ロイヤルパークホテルに泊まってよかったと思ったのは、私だけではなかっただろう。英語、フランス語の楽しそうなザワメキが、心地よかった。異文化とのふれあいがツーリヅムの原点であり、世界をビジネスする青い目のエグゼクティブ達も、週末はつかのまの観光客になる。異国の人々の生活そのものも、観光のおおきな資源である事を再認識させられました。